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8話 仇 2011-05-19 未分類 トラックバック:0コメント:0

天は赤い河のほとり 8話 仇

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人物紹介

台本を使用される方へ
必ず人物紹介にあるQ&Aをお読みください。
 




【キャスト】
♀ユーリ:
♀ハディ/街人2:
♂カイル:
♂キックリ/兵士1:
♂ウルヒ/兵士2:
♂タロス/陛下:
♂ズワ/街人1:
不問ナレ/市長:





ナレ:ナキアの陰謀でそそのかされたハディ三姉妹の毒によって命を落としたユーリ
   しかし 同じ毒を飲んで死んだはずの仔山羊が息を吹き返した

カイルM:そうだ・・・皇妃の企みはただユーリを殺すことではない・・・
     儀式の生贄として首を落とすはずだ・・・毒殺など無意味なはず・・・まさか!?

ナレ:天は赤い河のほとり 8話 仇

ユーリM:・・・体が・・・重い・・・頭にもやがかかったみたいだ

ズワ:・・・でだ ・・・・・・てくれ!!

ユーリM:ぇ?誰の声・・・?話し声がする・・・誰の・・・?

ウルヒ:だめだ!娘の首を切るのは皇妃さまの元へ連れて行ってからだ!!

ズワ:皇子たちを呪い殺すために必要なのは娘の生首だろう
   ならばここで切り落としても同じだ

ウルヒ:それはそうだが 皇妃さまはきちんと儀式にのっとって首を切ることを望んでおられる!!
    首を切るのはハットゥサに帰ってからだ!!

ユーリM:・・・皇妃の側近と・・・ズワ・・・!?私・・・私なんでこんなとこに・・・

ズワ:なあ ここですませちまおうぜ 体は俺にくれ 皮をはぐんだ
              (わけ)
ユーリM:そ・・・そうだ 理由なんてどうでもいい逃げなくちゃ

ナレ:ユーリはふらつく体を起こし壁に手をつき歩き始めた

ズワ:っ!?小娘!!気がついたか!!

ナレ:ズワはユーリに向かって切りかかる ユーリはすかさず身をかがめかわす
   空振りをしたズワの強剣が地下道の壁を崩した 崩れた壁に隙間に光が見える

ウルヒ:ちっ ズワ だからむやみに剣を振り回すなというんだ!!

ユーリM:この地下道はなんなの!?どこにつながってるの!?カイル皇子はどこ!?
     あっ!!あかりだ!!

ナレ:ユーリはズワが壁に開けた光が差し込む小さな穴から外へと抜け出た

ユーリ:外だ!ぇ!?

ナレ:外へ飛び出たユーリの首に斧が突き立てられた

IMG_0224.jpg

                (ヘパト)
タロス:何者だ?ここは太陽の女神の神殿に通ずる抜け穴 こんな場所で何をしている

ユーリ:わ・・・私はユーリ・・・なんでここにいるのかこっちが知りたい・・・

タロス:ユーリ!?カイル殿下が初めてお迎えになったという側室か?

ユーリ:あ・・・あなたは誰!?

ナレ:その頃カイルたちは

キックリ:カイル様 大神殿の抜け道がどこに繋がっているかご存知ないのですか?
               (ハンザス)
カイル:わたしは知らない 市長 見取り図のひかえはないか
                      (ぶんしょこ)
市長:あ・・・はい もしかすると神殿の文書庫に・・・

ハディ:あ・・・あの・・・

カイル:なんだハディ

ハディ:以前父から聞いたのですが 父の仕事場の裏に大神殿に通ずる抜け穴があると・・・
               (やきん)  (なりわい)
キックリ:そうかハッティは冶金と鍛冶を生業とする部族
     とうぜん武器も造るから非常時の脱出先にはぴったりだ
     行きましょうカイル様 大丈夫ですよ 
     ユーリ様のことだから生きていらっしゃるならご自分でタロスに助けを求められてるかも・・・

カイル:・・・・・・ハディ タロスはユーリをどう思っている?

ハディ:は?

カイル:お前たち同様ユーリをティトの仇として恨んでいるんじゃないのか?

ナレ:タロスと出くわしたユーリはというと

タロス:・・・わしの名か わしの名はタロス

ユーリ:タロス・・・?

ユーリM:タロス・・・ってどこかで聞いたような気がする・・・

タロス:フン この名に覚えはないか

ズワ:小娘 どこへ行った 逃がさんぞ

ユーリ:ズワ!?ごめんなさい見逃して!!追われているの!!

ナレ:そういって立ち去ろうとしたユーリのノド元に再び斧が突きつけられる

ユーリ:ぇ!?な・・・なに・・・

タロス:お前がユーリだというなら 見逃すわけにはいかん

ズワ:小娘!!どこへ行った!?ん?光?ちっ 外へ逃げたのか!?
   どこへ逃げようと必ず首を落としてやるからな

ユーリM:今度ズワに追いつかれたら まちがいなく殺される・・・

ユーリ:お願い 行かせて!!
    こ・・・これがどういうことかわかんないけど話があるならあとで必ず聞くから

タロス:話をするつもりはない お前さんに会ってどうするか考えてはいなかったが・・・そうさな・・・
    追ってくるのはカシュガのズワだな ならばあの男と戦ってもらおうか

ユーリ:ぇ!?

タロス:来い!

ナレ:そういってユーリの腕をつかみ とある小屋へ向かうタロス

ユーリ:ま・・・まって 戦えって私がズワに勝てるはずないじゃない
    あなたはいったい何者なの!?なぜこんなこと・・・

ユーリM:この人私をどうしようっていうの!?・・・タロスってたしかにどこかで聞いたような名前だけど・・・

ナレ:タロスは小屋の中にユーリを押し入れる

ユーリ:きゃあ  っ!?

タロス:素手でズワと戦えとは言わん 好きなものを一本選べ

ユーリM:・・・剣や槍がこんなにたくさん?

ユーリ:お願いだからどういうことなのか教えてよ

タロス:こういうものを造るのが我々ハッティ族の仕事でな

ユーリ:そうじゃなくて・・・なぜ私を・・・はっ!?・・・ハッティ・・・ってティトの部族・・・!?

タロス:そう 生きていればティトはわしの跡を継いでハッティの長になるはずだった

ユーリM:そうか・・・タロスってティトのお父さん!!

タロス:さあ 武器を選べ 選ばないのならそのまま放り出すぞ

ユーリM:この人もお姉さんたちと同じように私がティトを殺したと思ってるんだ

ユーリ:まって 私は・・・ ・・・はっ!?

ユーリM:私はティトを殺してない・・・って 本当にそう言えるの?
     カイル皇子やティトが止めるのも聞かないで 私が皇妃の宮へ忍び込んだために
     ティトは殺されたんだ それに 私はティトの仇をうつためにこの世界に残ったんじゃないの

タロス:さあ 武器を選んでズワの前に出ろ!

ユーリM:逃げてばかりじゃここに残った意味がない ズワと戦うために剣を・・・

タロス:どの剣を選んでも文句はいわん その黄金細工の剣は皇帝陛下に献上しても恥ずかしくないものだ
              (ぞうがん)
  そっちの銀に宝石を象眼したものは馬10頭と交換できる
                      (ごうけん)
    どれも見た目だけでなくズワの強剣にひけはとらん 十二分に太刀打ちできるぞ

ユーリM:どれもとても立派だけど・・・私には大きすぎるな・・・

ナレ:その時ユーリは薄汚れた小さな短剣を見つける

IMG_0227.jpg


ユーリM:さびついた短剣・・・立派な細工の長剣の中でなんでこれだけ?

タロス:・・・・・・

タロスM:この娘・・・

ユーリM:ひとつだけ紛れ込んでしまった見栄えのしない異質なもの・・・私みたいだ・・・
     ・・・私の手にはちょうどいい

ユーリ:・・・お言葉に甘えてこれをもらいます

タロス:・・・・・・

ナレ:さびついた短剣を持ち小屋の外へ出るユーリ

ズワ:小娘!!見つけたぞ!!

ユーリ:ズワ!?

ズワ:今度こそアリンナをお前の墓場にしてやる

ナレ:その頃カイルたちは大神殿に向かい走っていた

ハディ:父がユーリ様をどう思っているかわかりません
    私たちが殿下の仮宮に忍び込む相談をしてる時も 父は何も言いませんでしたし・・・

カイル:つまり お前たち同様ユーリを殺そうとするかもしれないってことか
    ユーリが生きているならタロスに会うはずだ 急ぐぞ!!

ナレ:タロスの元にカイルたちが駆けつける

カイル:タロス!!

タロス:これはカイル殿下 お久しぶりです

カイル:こちらに娘が来なかったか?黒い髪で象牙色の肌をした小柄な娘だ

タロス:あなたのご側室ならズワの前に放り出してやりましたよ

カイル:何!?

タロス:よほど あの娘がお気に召したようですな あなたのそんな取り乱した姿は初めて見る

カイル:ばっ!?

タロス:・・・あの娘ならご心配には及びますまい

カイル:!?

タロス:ハディ 剣を一本やろうと言ったら ユーリという娘は迷わずあの剣を選びよったよ

ハディ:あの剣・・・って 父さんまさか!?

カイル:なんだ あの剣とは!?

タロス:殿下今このオリエントは戦乱にあけくれておりますな
   (かみ)                  (かはん)
    上メソポタミアにミタンニ王国 ナイル河畔には大国エジプト
    そしてアナトリアに我がヒッタイト帝国 この3国がオリエントの覇権を争い
    まわりの小国どもは小競り合いをくりかえしております

キックリ:タロス そんなことは子供でも知っている 何も今・・・

タロス:我がハッティ族とて 戦いの力が自分たちの味方についてくれることを昔から願っておったのです
    そうしたら街の皆がカイル殿下の側室がイシュタルの化身だと騒ぎおったのです
    
ハディ:父さん それでユーリ様に剣を選ばせることに・・・!?

タロス:うむ 試してみても悪くあるまいと思ったのだが あの娘は間違いなく選びおった

カイル:その剣とはなんなんだ!?

ハディ:古くからずっと我々ハッティ族が守ってきた宝剣でございます

カイル:宝・・・剣!?

タロス:そう カイル殿下 あなたのご側室がお選びになった剣は
    ”間違いなくオリエントの覇権を決める力を持つ剣です!!”

ナレ:その頃ユーリはズワに追いかけられていた

ズワ:まて!!小娘!

ユーリM:そ・・・そりゃ 対決する覚悟はしたけど あんなばかでかい男相手に簡単にまてるもんか

ユーリ:あっ!!

ユーリM:カイル皇子の兵士たちだ!

兵士1:ユーリ様!?ユーリ様ですね!ご無事だったんですか!!

兵士2:亡くなったなんてやっぱりデマだったんだ!!
 
ズワ:どけ 雑魚ども!!

兵士1:はっ!?カシュガのズワ!?ユーリ様ここは我々にお任せを・・・

ユーリ:だ・・・だめよ・・・まって!

兵士2:やあああ!!

ズワ:バカめ

ナレ:ズワは向かってくる剣を剣で砕きそのまま肩から兵士を真っ二つに切り裂いた

IMG_0252.jpg

兵士2:うぐわあああ
                       (ごうけん)
ユーリM:ひぃ・・・なんという力・・・それに強剣

兵士1:ユーリ様早く上へ!!

ナレ:ユーリは城壁の階段を駆け上がる それを追いかけ切りかかるズワ そこへカイルたちが駆けつけた

カイル:ユーリ!!キックリ 弓だ 弓を持て!!

キックリ:はっ はい

ナレ:ユーリはズワの腕につけられたあるものを見つける

ユーリM:だめだ・・・とてもかなわない・・・  あっ!?ティトのチョーカー!!

ズワ:いいかげんにあきらめたらどうだ

ユーリM:逃げちゃいけない・・・逃げちゃ・・・

ズワ:フン そんな短剣ではむかう気か お前も剣ごと真っ二つにして欲しいか

カイル:ユーリやめろ!!

ユーリM:ティト!力を貸して!!

カイル:ユーリ!!

ユーリM:ティト!!お願い私に力をかして!!

キックリ:ユーリ様!?

ナレ:ズワに立ち向かうユーリ 振り上げたズワの強剣をユーリが力込め振った短剣が折った

カイル:はっ!?ズワの強剣を折った!?

ズワ:なん・・・だと・・・!?

ユーリM:ぇ!?こ・・・この剣・・・何なの!?こんな小さな見栄えのしない剣がズワの強剣を折るなんて!!

ズワ:そんな・・・ばかな・・・!!小娘・・・なめたまねを!!

兵士1:ズワ!!今までお前に殺された何十人もの味方のかたきだ!!死ね!!

カイル:ちっ 人が多すぎて弓では狙いがつけられない・・・!!

ユーリM:今は考えない この剣が何かなんて今はどうでもいい!!ティトが助けてくれた それでいいじゃない

ユーリ:ズワ!!今度こそティトのかたきとらせてもらう!!

ズワ:俺に刃向かおうななど100年早いわ!!剣などなくても素手でその首へし折ってくれる!

ナレ:ユーリの攻撃をかわし城壁の縁にのり飛びかかろうと体制を構えるズワ

ズワ:おっとっと

ユーリM:お願い!!ティトのかたきをとらせて!!お願い!!

ズワ:ふん さっきのまぐれに 頭に乗るな その貧弱な剣ごと押しつぶしてやる

ユーリM:お願い!!

ナレ:ユーリが剣を構え突進していく その剣はズワの足元の城壁に突き刺さり城壁はもろくも崩れた

IMG_0228.jpg

ズワ:な・・・!?な・・・に!?剣が城壁を崩した!?ばかな!?うっ・・・うわああああああああああ!!

ナレ:ズワは城壁から落ちていく 激しく地面にぶつかり絶命する

街人2:ズ・・・ズワが死んだ!?

街人1:あのカシュガの処刑人のズワが死んだぞ!!

街人2:私のお父さんはズワに殺されたのよ!!

街人1:俺の弟も殺されて皮をはがされた!!

街人2:私の亭主もよ!!

街人1:これでカシュガも二度とヒッタイトに戦いをしかけようなどと思わないだろうさ!!このやろう!!

ユーリM:ティト あなたは何もできない私を慕ってくれた そのせいであなたを死なせてしまったわ
     私はそんな何もできないままで自分の世界に還りたくなかった
     ティト!!まだとても皇妃には手がとどかないけど あなたを直接殺したズワは死んだわ
     半分だけあなたのかたきをとったと思っていい!?

兵士1:ああ 陽が昇る 朝か
          (イシュタル)
兵士2:おい!!暁の明星だぞ!!
           (イシュタル)
兵士1:本当だ!!暁の明星だ!!
                (イシュタル)
街人1:え?そんなばかな暁の明星は来年の水の季節まで昇らないはずじゃないか!!

兵士2:わかってるさ でもほら 東の空に・・・!?

街人2:イシュタルだって?
    (イシュタル)
兵士1:戦いの女神がヒッタイトのために戻ったぞ!!

兵士2:いや・・・!?おいちょっとまて・・・あれは・・・!!

ナレ:短剣をかかげ昇る光に照らされたユーリの姿であった

IMG_0230.jpg

街人2:ユーリ様!?

兵士1:ユーリ様だ!!ユーリ様がイシュタル・・・?
                            (イシュタル)  
街人2:そうよ そうだよ やっぱりユーリ様が戦いの女神なんだ
                       (イシュタル)
兵士2:ユーリ様こそ我々ヒッタイトの戦いの女神だ!!

ユーリM:ティト・・・今 あなたを天に送ります!!天に送ります!!

兵士2:ユーリ様ばんざーい

街人2:イシュタル様ばんざい

兵士1ユーリ!ユーリ!

ナレ:兵士 街人 から歓声が上がる ズワに死体に近づくハディたち

ハディ:これは・・・ティトのチョーカー・・・やっぱりティトはズワに・・・
    ユーリ様申しわけありませんでした

カイル:ユーリ!!

ユーリ:カイル皇子 心配かけてごめんなさい 私・・・

ナレ:カイルはユーリを抱き ユーリの胸に耳をあてた

ユーリ:なっ!?何するの!?またすけべなんだからっ!!

カイル:ウソじゃないな たしかに心臓が脈うっている 体が熱い・・・よかった・・・

ユーリ:・・・皇子・・・

カイル:この剣は・・・なんなんだ?

タロス:なんだとお思いですかな

カイル:タロス

タロス:ユーリ・・・さまは なぜこの剣をお選びになったのですか?

ユーリ:なぜってほかのは私には立派すぎたし これが一番手にしっくりきたから・・・

タロス:で・・・それがなんだとお思いかな?

ユーリM:なんだとって・・・さびてたし ただの・・・

ユーリ:鉄剣かな・・・と思ったんだけど・・・

ハディ:ユーリ様は鉄をご存知で!?

カイル:鉄だと!?鉄がなぜハッティにあるのだ!?

ユーリM:ぇ!?

タロス:これを鉄剣と見極めるとは さすが・・・と申し上げるしかないですな

ユーリM:どういうこと?鉄なんて誰でも知ってるしめずらしくないじゃない・・・

ユーリ:あの・・・?

カイル:鉄は空から落ちてくる石からごくまれにしか取れない金属だ

ユーリ:え?

カイル:だからどの国もどんなに黄金をつんでも手に入れたがっている
    めったに見られるものではないのに よくお前が知っていたな

ユーリM:鉄が ごくまれにしかとれない・・・!?

ナレ:紀元前14世紀 この時代世界は青銅器時代である製鉄法はまだ普及しておらず
   鉄は地上に落ちた隕石からかろうじて発見されるだけだと言われている
   つまり鉄は青銅器世界 最強の武器であり製鉄法を制するということはオリエント各国の夢であった

カイル:鉄剣がなぜハッティの宝剣に・・・?

タロス:我々は古い時代より地上の鉱石から鉄を取り出す技術を持ってまいりました 
    その製鉄法こそハッティの秘法でございます

カイル:・・・ハッティが製鉄法を・・・?

ハディ:ユーリ様 どうぞ私たちを極刑に!!
                (イシュタル)
    だまされたとはいえ戦いの女神のあなたに刃を向けるなど大罪でございました

ユーリ:ハディさん・・・極刑ってそんな・・・ねぇ?カイル皇子?

カイル:危ない目に合ったのはお前だ お前はどうしたい?

ユーリ:ど・・・どうもしないよ!元々私が会ったときにちゃんと話さなかったのがいけないんだもの

ハディ:ユーリさま・・・

カイル:まあ幸い3人がユーリに毒を飲ませたことは広まってないし・・・もみ消すのは可能だろうが・・・

ユーリ:それじゃ 皇子!!

カイル:今わたしの宮には女官はひとりもいない 以前からユーリに誰かつかせねばと思っていたのだが
                      (じじょ) 
    どうだ 三姉妹をユーリづきの侍女としてあずからせてくれないか

ハディ:・・・ありがとう・・・ございます

ユーリM:よかった・・・これで少しだけティトにあやまれたような気がする

タロス:つきましてはユーリ様 息子ティトが死んだ今
    ハッティは秘儀である製鉄法を伝える者を失いました

ユーリ:・・・・・・

タロス:あなたはティトを慈しみ そのかたきをとってくれたお方だ
    ハッティは今後製鉄法ともども ユーリ様あなたに従いたく存じます

カイル:・・・それは 製鉄法をユーリの自由にしてよいということか!?

タロス:御意 オリエントの覇権を握るこの技術をイシュタルであるユーリ様にゆだねましょう

ユーリ:・・・ぇ?・・・わたし・・・?

ナレ:ユーリたちはアナトリアを後にした
   ヒッタイト帝国首都ハットゥサ 王宮

陛下:カイル 製鉄法を手に入れたというのは本当か!?
   本当ならわが国はオリエント 一の武力を持ったことになる
   カシュガ討伐もようやったが鉄はそれ以上の手柄だぞ
                                                  (ひ)
カイル:本当です父上 性格には製鉄法を献上されたのはわたしではなくわたしの妃ですが

陛下:我がヒッタイトの手に入ったといことではどちらも同じだ
            (イシュタル)
   お前の側室が戦いの女神だというのを わしも信じたくなったぞ のう皇妃よ

ナレ:皇妃は静かな表情で小さくうなずいた
                 (ははうえ)
カイル:ありがとうございます 義母上

カイルM:ふん ユーリを殺し損ねて内心煮えくり返っているだろうに
     顔色を変えないのは見事だな ナキア皇妃

陛下:カイル すぐに鉄製の武器の大量製造は可能か?できればミタンニとの開戦前に

カイル:ミタンニ!?ミタンニが動き出しましたか!?

陛下:うむ あの国とは長年争いをくりかえしてきたが どうやら年内には決戦を迎えることになりそうだ
   今度は今までの小規模な争いとちがう たぶん国家の存亡をかけての戦争になるだろう
                         (きちょう) 
  すでに各地に散っている全ての皇子に帰朝を命じた カイル お前も準備に怠りないように

カイル:はい!!

カイルM:いよいよ ミタンニとの戦争が始まる

陛下:まて カイル

カイル:はい 父上?

陛下:戦いが始まったらまたお前の側室を同行するがいい
   (イシュタル)(しんぎ)
   戦いの女神の真偽はともかく 兵士の士気が上がるのは間違いない よいな!

カイル:・・・

ナレ:ティトのかたきをうつことができたユーリ また製鉄法を手に入れたヒッタイト
   近くミタンニとの戦争が始まるという殿下の言葉
   そしてナキアの静かな表情がカイルを不安にさせた


天は赤い河のほとり 8話 仇  完




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