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2011-11-08 未分類 トラックバック:0コメント:0

   題名:少年と門番
   劇団:無所属
   作者:都基 トキヲ
 ---------------------------------------------
 著作権について
 ・本ページで公開されている作品の著作権をはじめとするすべての権利は
  全て作者が保有いたします。
 ・このページからダウンロードできる脚本は全て無料で読んでいただいて
  結構です。ただし、舞台等で御利用の際は、作者からの上演許可を取っ
  ていただくようお願いいたします。
 ・必要に応じての改編等も、作者への許可の上行って下さい。
 ・著作権料が発生する場合、指定された額を作者へ送金を忘ないように
  お願いいたします。本作品おける著作権料は、下記に示す通りです。

 ---------------------------------------------
  小学校、中学校、高校、その他学生の無料公演・・無料
  アマチュア劇団の公演、学生の有料公演・・・・・5000円
  プロの劇団の公演・・・・・・・・・・・・・・・全チケット収入の1割
    (全チケット収入の一割が5000円に満たない場合は5000円)

    [2]の場合、公演の2週間前までに、
    [3]の場合、公演後2週間以内にお支払いください。
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都基トキヲ

キャスト
フランツ
アルマン・シュバルツ
ジェームズ・グラウ(文字数の都合上、“グラウ”と表記する。)
フランツの母


中世ヨーロッパ風の門。
雪が降る冬の日、少年が小さな墓標に花を手向け手を合わせている。

フランツ「・・・アルマン。あれからもう四年も経ってしまったね。
     あの日も今日みたいにとても寒かった。
     あの頃は本当に楽しかったね。君がいて、ジェームズがいて、僕がいて。
     それだけで幸せだった。君がいつも話してくれた物語も、
     いつも面白かったし。
     大好きだったなぁ~・・・君が話す物語。実はね、僕は君が門番じゃ
     なく、本当は作家か何かじゃないかって思ってた時期もあったんだ。
     それ位、君の話は面白かった・・・。
     『海を泳いだサルの王様』、『ダンスが下手な三人のお姫様』。
     あ、『ウサギがこわい魔術師』なんてのもあったね!
     ・・・・でも、僕が一番好きだったのは、
     『憂いの木』の話だった・・・」

暗転
明るくなると墓標が消え、(もしくは墓標と門とで舞台を分けても可。)
代わりに門番のアルマンが立っている。
暇そうに欠伸をひとつ。

アルマン「ふあぁぁ・・・今日も平和だなぁ・・・・」

そこに門とは逆の方向からジェームズがにこやかに駆けてくる。

グラウ 「おはようございまーす!
     いやぁ今日もいい天気ですね!!」

きょとんと不思議そうな顔をするアルマン。

グラウ 「相変わらず我らがリヒト王国は平和極まりないし、
     こんな素敵なことは他には無い!!そう思いませんか!?」
アルマン「・・・?」
グラウ 「一昨年に新聖帝国と平和協定を結んでからというもの、交易は右肩
     上がり。国の経済は潤う一方です!特産品の小麦だって、
     去年はここ何年かで一番の豊作だったし。それに・・・」

ジェームズの言葉を遮るように、アルマン。

アルマン「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
グラウ 「はい?」
アルマン「話の途中で悪いんだが・・・」
グラウ 「何でしょう。」
アルマン「(ジェームズを示し)・・・誰?」
グラウ 「え?」
アルマン「いや、だから・・・・誰?」
グラウ 「ああ僕ですか!?
     すいません申し遅れましたが、自分は本日よりこの“第二の門”に
     配属することになりました、門番見習いのジェームズ・グラウです!!」
アルマン「ジェームズ・グラウ・・・あ、君か。門番長が言ってた新米は。」
グラウ 「はい!!」
アルマン「俺はアルマン・シュバルツ。」
グラウ 「知ってます。さっきゴルトさんが言ってました。」
アルマン「門番長が?」
グラウ 「『君の上司は、俺の後を継いで門番長になる男だ』って。」
アルマン「そんなこと言ってたのか!」
グラウ 「はい。だから、『何かあったら、彼に頼るといい』と。」
アルマン「俺はそんな器じゃないんだが・・・」
グラウ 「若くして一目置かれてるんですよ!すごいじゃないですか!!」
アルマン「そうか?」
グラウ 「絶対そうですよ!!!」

ジェームズのあまりの勢いのよさに思わず笑ってしまう。

グラウ 「どうかしました?」
アルマン「いや、さっきからやけに元気が良いな。」
グラウ 「あっすいません!あんまり楽しみだったので、つい浮かれてしまって・・!!」
アルマン「そんな楽しめるような仕事じゃないぞ?確かにヒマだけどな。」
グラウ 「わかってます!国の有事の際には敵を門で食い止める、大変な仕事だと
     いうことは!!」
アルマン「へぇ」
グラウ 「ただ、子供の頃からの夢だったんですよ。」
アルマン「門番になることがか?」
グラウ 「はい。 というか、何かこの国のためになるような仕事がしてみたくて。」
アルマン「いまどき珍しいな。」
グラウ 「変、ですかね・・。」
アルマン「いや、いいと思うぞ。
     俺の知り合いでも一人いるんだ。そういうやつが。」
グラウ 「そうだったんですか。それは是非会って語り合いたいですね!!」
アルマン「よくここにも来るから、そのうち会えるんじゃないか?」
グラウ 「ここに?」
アルマン「そう。ここに。」

と、遠くからフランツがアルマンを呼ぶ声が聞こえる。

アルマン「ほら来た。」
フランツ「おはようアルマン!」
アルマン「おはようって、もう昼だぞ。」
フランツ「あ・そうだね。こんにちわ。」
アルマン「挨拶くらい、ちゃんとできるようになれよ。」
フランツ「はいはい。(と、ジェームズに気づく) あれ、この人誰?」
アルマン「ここの新入りだよ。」
グラウ 「こんにちわ!門番見習いのジェームズ・グラウです。」
フランツ「こんにちは!」
アルマン「こいつはフランツ。」
フランツ「フランツ・ヴァイスです。」
グラウ 「・・アルマンさん。もしかしてこの子がさっき言ってた・・・」
アルマン「そうだよ。」
グラウ 「あ、そうなんですか!僕はてっきり同年代かと・・」
フランツ「何、何の話?」
アルマン「実はさっき、お前のことを話してたんだ。」
フランツ「僕のこと?」
アルマン「ジェームズは子供の頃から、この国のために働くことだったんだと。
     お前の夢と似てるなと思って。」
フランツ「だから門番に?」
グラウ 「まぁね。ずっと夢だったんだ、門番になることが!!」
フランツ「うーん・・・でも、どうせなら軍にでも入りたいたいと思わなかったの?」
アルマン「それもそうだな。」
グラウ 「いや・・その、戦争とかそういうのは苦手で・・・」
フランツ「門番だって、いざとなったら戦うじゃないか。」
グラウ 「門番は、門を守るために戦うじゃないか。門を守ることが、国やこの国に
     住む人を守ることになるんだ。だから、何かを倒すために戦う
     のとは違うんだよ。」
フランツ「よくわかんないよ、そんなの。戦うことには違いないじゃないか。」
グラウ 「はは、まぁそうだろうね。」
フランツ「僕だったら、絶対軍に入ると思うけどなぁ。」
グラウ 「君は大きくなったら何になりたいんだい?軍人になりたいの?」
フランツ「まぁね。でも、それだけじゃないよ。」
グラウ 「それだけじゃない?」
フランツ「僕はね、英雄になりたいんだ!」
グラウ 「英雄かぁ!すごいねぇ」
アルマン「無理だって、何度も言ったんだが諦めないんだ。」
フランツ「だって、諦める必要が無いんだもん。」
アルマン「リヒト王国は極力戦争はしないんだ。国も軍も小さいし、難しい
     に決まってるだろう。」
グラウ 「たしかにそうですね。戦争があるから、英雄が生まれるわけですからね。」
フランツ「あーあ、戦争じゃなくても、せめて帝国みたいに、領地拡大戦線
     とかやれば、英雄になるのもゆめじゃないんだけどなぁ。」
アルマン「何言ってんだ。あんなの戦争と同じじゃないか。争いごとはないに
     こしたことはないんだから、そんなことを言うもんじゃない。」
フランツ「でもさ、領地拡大のためなら国も広くなるんだよ?いいじゃん。」
アルマン「バカ。そういう問題じゃないだろ。」
グラウ 「そうだフランツくん。門番にしなよ門番!」
フランツ「門番?」
グラウ 「君は軍も門番も似たようなもんだと思うんだろ?それなら門番だって
     いいんじゃないかな。」
アルマン「そうだな。フランツそうしろ。」
フランツ「え~・・だってアルマン、いつも暇そうじゃないか。暇なのはいやだなぁ。」
アルマン「ま、ここは“第二の門”だからな。暇が嫌なら“第一の門”に行けばいい。」
フランツ「“第一の門”?」
グラウ 「僕が説明してあげようか。」
フランツ「え?あ、うん。」
グラウ 「フランツくんは、この国・・リヒトの人々の大半がこの市に住んでる
     ってことは知ってるよね?」
フランツ「うん。」
グラウ 「市の中にある、城を中心に、この市全体をぐるっと囲んでいるのが、
     この壁。
     で、更に外側を大きく囲んでいる壁があるんだ。つまりこの市は二重の壁
     で守られてるんだよ。そしてその外側の壁にあるのが、さっき言った
     “第一の門”。内側の壁にあるのが“第二の門”って呼ばれてるんだ。
     まぁ、“第一”とか“第二”って言っても、それぞれの壁にはたくさんの
     門があるから、二つしか門が無いってわけじゃないんだけどね。」
フランツ「へ、へぇ・・・」
グラウ 「わかったかい?」
フランツ「う、うん。・・・・正直大体知ってたけどね。」
グラウ 「あ!!そうだよね!!!」
アルマン「俺もフランツも、この市に住んでるわけだからな。
グラウ 「またしゃべりすぎちゃったなぁ~!!」
フランツ「あ、でもさ・・」
アルマン「ん?」
フランツ「でも、なんで二重に壁があるんだろう。」
アルマン「守りを固めるためだろう?」
フランツ「でも、戦争なんてしないんだから、そんな必要ないんじゃない?」
アルマン「しないからこそ、必要なんだよ。なにかあったときに、市の中心まで
     ことが及ぶまで時間をかせげるだろう?」
グラウ 「たしかにそれもあるんですが、それだけじゃないみたいですよ。」
フランツ「それだけじゃないの?」
グラウ 「実は僕、昔そのことについて調べたことがあるんですよ。」
フランツ「そうなんだ。」
グラウ 「この国の名前、『リヒト王国』の『リヒト』の意味は知ってるよね?」
フランツ「うん!『光』だろ?」
グラウ 「あたり!そしてその『光』にも意味があるんだ。それは・・」
アルマン「『神の御加護の光』だろ?」
グラウ 「そう。『この国に、神の御加護がありますように』と、初代国王様
     が願いを込めて、この名前をつけたそうです。実際、光の恵みおかげで、
     小麦の生産がとてもさかんな平和な国になりましたからね。」
フランツ「で、なんで名前が壁と関係あるの?」
グラウ 「四代目の国王がすごく強欲で、悪政で有名な酷い王様だったんですよ。」
アルマン「それで、その王が『神の御加護』を独占するために、壁を作ったんだろ。」
グラウ 「なんだ、知ってたんですか?」
アルマン「俺も昔、話のネタにしようと思って調べたんだよ。」
フランツ「ふぅ~ん。」
グラウ 「さすがアルマンさん!ゴルトさんに一目置かれているだけはありますね。」
アルマン「そうか?」
フランツ「あっゴルトさんで思い出した!!」
アルマン「何だ?」
フランツ「さっきゴルトさんに、『新米に伝え忘れたことがあるから呼んできてくれ』     って言われたんだった!!」
グラウ 「ゴルトさんが?」
アルマン「お前、そういうことは早く言えよ!!」
フランツ「ごめん!!」
アルマン「まったく・・・」
グラウ 「じゃあ、僕ちょっと行ってきますね!ゴルトさん、怒ると恐そう
     なんで。」
アルマン「そうだな。」
グラウ 「じゃあまた後でね、フランツくん!」
フランツ「じゃあね!!」

来た方向に走ってはけるジェームズ。

フランツ「ジェームズ、いい人だね!」
アルマン「ああ。真面目で元気がいいし・・・ちょっとおしゃべりなところがある
     が、いい門番になると思うぞ。」
フランツ「良かったね、いい後輩が来て!」
アルマン「もしかしたら、俺なんかよりずっと頼りがいのある門番になるかもな!
     俺の分まで頑張ってもらわなきゃ」
フランツ「年下に頼ってどうするんだよ」
アルマン「良いんだよ。いいか、人と人とが関わりあうときはだな、こう・・
     明らかにこいつが楽をしてだな・・・・」
フランツ「はいはい。もうその冗談は聞き飽きたよ。」
アルマン「そうか? でも、俺としてはお前の『英雄になりたい』って話のほうが
     飽きるくらい聞いてる気がするんだがな~」
フランツ「そんなことないよ。」
アルマン「いいやそうだって。だいたい、『英雄にないたい』っていうわりに
     一度も理由聞いたことないぞ?」
フランツ「り、理由なんて良いだろ・・」
アルマン「そんなこと無いぞ。理由は大切だ。 それとも、理由もなしに
     『英雄になりたい』だなんて言ってたのか?」
フランツ「う・・そうじゃないけど・・・・」
アルマン「それにおれ自身も気になってるんだよ。」
フランツ「カッコ・・良いから・・・」
アルマン「なんだそんな理由か!ミーハーなやつだな!!」
フランツ「嘘だよ。 ・・嘘に決まってんだろ!そんなの。」
アルマン「じゃあ、なんでだ?」
フランツ「英雄になれば、母さんを守ってやれるだろ?」
アルマン「フランツ・・・」
フランツ「うちは父さんがいないんだ。僕が母さんを守ってやらなきゃ。」
アルマン「そうか・・・」
フランツ「それに、楽させてあげられるしね。」
アルマン「何も英雄にならなくたって、守ることは出来るんじゃないのか?」
フランツ「う~ん・・・・」

フランツは考え込んでしまう。アルマンは『仕方ないな』という風にため息を
吐き、わざとらしく何かを思い出す。

アルマン「あ!」
フランツ「何?」
アルマン「いや、何でもない・・。でもなぁ・・もしかしたら・・・」
フランツ「え?」
アルマン「どうかなぁ・・でも・・・ううん・・・・」
フランツ「何だよ。気になるだろぉ?」
アルマン「もしかしたら、無理じゃないかもな。」
フランツ「ほんと!?」
アルマン「ああ。まぁ、“あの木”を見つけられたらの話だけど。」
フランツ「“あの木”?」
アルマン「・・・聞きたいか?」
フランツ「うん!!」
アルマン「それじゃあ聞かせてやろう!アルマン劇場のはじまりはじまり!」

フランツ、パチパチと拍手。

アルマン「昔々、あるところにハイムという男がいました。彼は植物を専門とする
     学者で、彼が見たことのない植物なんてありませんでした。
    “ある木”だけを除いては。」
フランツ「それが、さっき言ってた・・」
アルマン「そう!その木は『憂いの木』といって、人々の悲しみや苦しみを吸収して
     成長する不思議な木。憂いの木に咲く花は、見た者の本当の願いを
     叶えるという。
     ハイムその話を聞いたとき、どうしようもなく見てみたくなった。
     一人の学者として、見てみたかったんだろうな。
     しかし、文献には残ってはいるものの、その量は極わずかで調べようが
     無い。
     どうしたものかと悩んで、仲間の植物学者に聞いても、
     『そんなものあるわけがない』と馬鹿にされてしまいました。
     ハイムは悔しかった。 あ、自分をバカにされたことにじゃないぞ。彼は
     偉大な偉人が、その生涯をかけて書き残した文献を『ウソ』呼ばわり
     されたことが悔しかったんだ。
     だから彼はそれを証明するためにも、なんとしてでも憂いの木を見つめる
     と決意して、旅に出た。
     そりゃあもう、世界中のありとあやゆる場所を探し回った。
     しかし、広い草原、高い高い山、深く暗い森・・・どんな場所もくまなく
     探したのですが、いっこうに見つかりません。何度も諦めようと思った。
     でもそんなことは出来ないと、眠ることも忘れて彼は探し続けた。
     しかし、運命の女神は残酷だった。ジャングルに訪れ、その木を探していた
     ある日、彼は重い熱病に冒されたのです。」
フランツ「ええ!?」
アルマン「しかし、それでも彼は諦めなかった。熱がある体で歩いていると、
     次第に意識が朦朧としてきてしまい、人里離れた未開のジャングルでついに
     倒れてしまいました。熱のある彼の体は、もう、とうに限界を過ぎて
     しまっていたのです。
     薄れゆく意識の中で、『もうダメなのか・・・せめて最期にこの目で、
     たった一度でいい、この目で憂いの木が見てみたかった。』
     そう思いました。
     そして静かに目を閉じようとしたその時、ハイムの視界は白い風に
     包まれました。驚いて顔を上げてよくよく見ると、その白い風は無数の
     花びら。
     何が起こったのか理解できず、
     ぼんやり花びらの嵐を見ていると、そこには大きな木が一本
     立っていて、枝いっぱいに花を咲かせていることに気づきました。
     そう、彼は念願だった憂いの木を見つけたのです。
     あまりの嬉しさにしばらく見とれていると、それまで彼を苦しめて
     いたはずの熱がいつの間にか引いて体も軽くなって
     いることに気がつきました。」
フランツ「治ったの?」
アルマン「ああ。」
フランツ「じゃあその後、ハイムは木を持って帰ったんだよね。」
アルマン「花びらを一枚だけ、な。」
フランツ「え、一枚だけ!?それだけじゃ誰も信じてくれないよ?せめて枝くらい・・」
アルマン「ハイムには花びら一枚で十分だったんだよ。。」
フランツ「何で?」
アルマン「ハイムは自分の国に帰った後で、自らの著書に『憂いの木』のことについて
     書き記すことで、彼が信じた、偉大な植物学者の一人になれたからだよ。」
フランツ「え~・・・」
アルマン「それに、ハイムが熱が引いたことに驚いている間に、木は跡形も無く
     消え去ってしまったんだ。彼の目の前に落ちた、一枚の花びらを残して。」
フランツ「じゃあ、なんで熱は下がったの?願いはひとつだけなんだろ?」
アルマン「それは・・・ほら、あれだ。ハイムは木の存在を確認したいだけで、
     欲の無い人間だったから、木が“おまけ”してくれたんじゃないかな。」
フランツ「なーんか無理やりだなぁ。」
アルマン「そ、そうか?」
フランツ「うん。・・でも嫌いじゃない話だけど。」

静かに立ち上がるフランツ。

アルマン「帰るのか?」
フランツ「母さんのお使いがまだ残ってるんだ。
     街に行って薬を買ってこないと。」
アルマン「お前の母さん、どっか悪いのか?」
フランツ「ただの風邪だよ。ほら、冬だし。」
アルマン「そうか、ならいいんだが。」
フランツ「それじゃあ、また。」
アルマン「おう。」

少年は笑顔で去ってゆく。

アルマン「あいつも大きくなったもんだな・・・」

再び門番の仕事を始める。そこにフランツと入れ違えになるように、血相を変えて
ジェームズが駆け込んでくる。

グラウ 「た、大変です!!!」
アルマン「どうした、そんなに慌てて。ゴルトさんが何か怒って・・・」
グラウ 「ち、違います!!!」
アルマン「じゃあ熊でも出たのか?」
グラウ 「違います!!!」
アルマン「あ、熊はもう冬眠してるか。」
グラウ 「そうじゃありません!!!」
アルマン「・・・何があった。」
グラウ 「今、ゴルトさんのところに行ってきたんです。そうしたら他の門番隊の方
     がこれを!!!!」

荒々しく新聞を手渡す。アルマンはそれに目を通し。

アルマン「これは・・・」
グラウ 「新聞の号外だそうです。」
アルマン「『新聖帝国との関係悪化』?どういうことだ・・・」
グラウ 「わかりません。でも、
     一昨年結ばれた、帝国との平和協定が白紙になったようです・・・」
アルマン「そんな馬鹿な!!!協定は向うから持ちかけてきたんだぞ?」
グラウ 「『リヒト王国は国王自ら帝国への反乱を企てているとの密告があった。』
     これが向うの言い分です。」
アルマン「密告?」
グラウ 「はい。」
アルマン「リヒトが帝国に反乱を・・戦争をしかけると?」
グラウ 「そのようです・・。」
アルマン「なんてことだ・・。」
グラウ 「そしてここ・・・これが国王陛下公式の発表です。
     『私含め、我が国は反乱など一切企ててはおらず、全く覚えが無い。
      よって我々は新聖帝国の発表を完全に否定する。』」
アルマン「よかった。」
グラウ 「まだです。」
アルマン「まだ?」
グラウ 「最後に、『我々リヒトは不条理な闇に屈しはしない。』と・・。」
アルマン「これじゃあまるで、」
グラウ 「宣戦布告ともとれますね・・・。」
アルマン「・・・・・。」
グラウ 「・・・最悪、戦争ってことにも成りかねませんよね・・・?」
アルマン「ああ・・・相手はケンカっぱやい軍事国家だ。もしかしなくても、
     何かしらあるだろう。」
グラウ 「そうなったら、この国も、戦場に・・・・」

沈黙。

アルマン「ジェームズ、」
グラウ 「はい。」
アルマン「お前に、頼みたいことがある。」
グラウ 「なんですか?」
アルマン「・・あいつには話さないで欲しいんだ。」
グラウ 「え・・・」
アルマン「フランツにはこのこと・・・特に戦争になりかねないということは、
     黙っておいてくれないか。」
グラウ 「僕は、構いませんけど・・・。でも、僕が言わなくても、あの子が
     知るのは時間の問題じゃあ・・・・」
アルマン「それでもいい。あいつはまだ、知らないほうがいいだろう・・・」

暗転


明転
門の前。
どこか重々しい雰囲気のアルマンとジェームズ。

グラウ 「あれから一ヶ月、帝国との仲は悪化する一方ですね。」
アルマン「向うは今、領地拡大のための戦争で勢いを増してるからな。
     一度火がつくとそう簡単には止まらないだろ・・・。」
グラウ 「戦力の差だってあるのに・・・・。」
アルマン「倍数どころの話じゃないからな。どうにかならないものか・・・。」

アルマン、遠くにフランツを見つけ。

アルマン「あ、駄目だ。フランツが来た。
     ・・・・いいか、ジェームズ。練習した通りにやるんだ。」
グラウ 「はい・・。」

何も知らないフランツ、笑顔で登場。

フランツ「おはよう、ふたりとも!!」
アルマン「おはよう。」
グラウ 「おはよう、フランツくん。」
フランツ「今日もいい天気だね!」
グラウ 「あ、あぁ・・・」
アルマン「・・・」

場の雰囲気に耐えられず、二人から離れるジェームズ。

フランツ「今日もなんか話聞かせてもらいたくてさ、あんまり長くはいられない
     ど・・・」
アルマン「今日はそんな気分じゃないんだ。」
フランツ「・・どうしたの?」
アルマン「・・・・」
フランツ「・・・?」
アルマン「なぁ、フランツ・・」
フランツ「何?」
アルマン「もう、ここには来るな。」
フランツ「何で?」
アルマン「何でもだ。」
フランツ「いきなりどうしたんだよ。理由はなんだよ。」
アルマン「理由なんて無い。」
フランツ「あ、わかった。もう話しがネタ切れなんだろ!そうだろ、ジェームズ!」
グラウ 「・・・・」
アルマン「違う。」
フランツ「なんだよ。なら来たって別にいいだろ?」
アルマン「ダメだ。」
フランツ「(ジェームズに)なぁ、アルマン、何かあったの?」
グラウ 「ごめん。」
フランツ「ごめんって、」
グラウ 「もう、遊んであげられそうにないんだ・・。忙しくてさ・・・」
フランツ「そんな・・・」
アルマン「そういうことだ。わかっただろ。ここはお前みたいなのが来る所じゃないんだ。」
フランツ「だからなんでだよ。忙しいなんて嘘だろ?」
グラウ 「駄目なんだ・・・」
フランツ「理由は?」
アルマン「駄目なものは駄目だ。」
フランツ「だから駄目って言う理由を・・・」
アルマン「お前が子供だからだ!!」
フランツ「ッ!!・・・なんだよ、それ・・・僕が子供だからそんなこと言うのかよ。」
アルマン「ああそうだ。」
フランツ「そんな言い方・・・」
アルマン「俺には仕事があるんだ。もうこれ以上ガキの世話なんかしていられないんだよ。」
フランツ「・・・わかったよ。もう来ないよ。こんなとこ!!」

立ち去りかけるがふと足を止め、背を向けたままで。

フランツ「・・・本当は母さん、病気なんだ。」
グラウ 「え?」     
フランツ「ずっとベッドで寝てて、僕がいなきゃ駄目でさ。だから、どうせ
     あんまり来られなくなるんだ。今日は最後に、また憂いの木の話が
     聞きたくて来たんだ・・。
     でも・・二人がそんな奴だったなんて思わなかった。」
アルマン「早く、帰れ。」
フランツ「わかってるよ。」

フランツ立ち去る。

グラウ 「・・・これで、よかったんですよね・・・・」
アルマン「ああ。」
グラウ 「でも、ちょっと可哀想でしたね・・・・」
アルマン「戦争になって、門が真っ先に危なくなるんだ。仕方ないさ。」
グラウ 「そうですね・・・」

落ち込んだ様子のジェームズ。

アルマン「・・ほら、何落ち込んでるんだ?」
グラウ 「・・・・」
アルマン「俺たちは仕事だ仕事。国のために働くのが夢だったんだろ?」
グラウ 「はい。」
アルマン「国がこうなった以上、この体を国に捧げる覚悟で守らなきゃな。この門を。」

暗転
明るくなるとフランツの家。
テーブルと二つの椅子が置かれている。そこに母を支えゆっくりとフランツ登場。

フランツ「母さん、大丈夫?本当にベッドで食べなくていいの?」
母親  「大丈夫。一日中ベッドの上じゃあ、気が滅入ってしまうもの。
     治るものも治らなくなっちゃうわ。体調だって、前に比べたらずっと
     元気よ!」
フランツ「でも・・・」
母親  「それに、たまにはこうやって、あなたと一緒にここでたべたいの。
     それ位の楽しみがあったっていいじゃない。」
フランツ「なら良いけど、お願いだから無理しないでよ?
     お医者様だって、『まだ安静にしてなさい』って言ってたでしょう?」

そう言ってフランツは料理の乗ったトレイを取りに、来た方にハケる。

母親  「はいはい。あ~ぁ、フランツもお父さんに似て、心配性になっちゃった
     わね~・・昔は毎日遊んで、泥だらけになって帰ってくるような
     やんちゃ坊主だったのに。怪我して帰ってきても、『大丈夫大丈夫~!』って、
     次の日にはまた怪我つくってきて。
     今じゃ毎日どこのトマトが安いとか、玉ねぎは血液をサラサラにするとか、
     朝にココアを飲むといいとかそんなことばっかり・・・・」

フランツ、二人分の食事が乗ったトレイを持ち、出てくる。

フランツ「何?何か言った?」
母親  「いいえ。我が息子が非常に家庭的に、すくすくと成長してくれて、
     母さんはとっても嬉しいわ。」
フランツ「いかにも不満そうな言い方だけど?」
母親  「ふふふ、冗談よ。あなたが毎日家のことをしてくれて、本当に
     助かってるわ。ありがとう。」
フランツ「そ、そんな改まって言わないでよ・・。何か照れるだろ。」
母親  「そう?」
フランツ「そうだよ。そんなこと滅多に言わないくせに。」
母親  「じゃあもっと言っちゃおうかしら。ありがとうありがとう(と十数回連呼)」
フランツ「あーもうやめてよ!!」
母親  「まだ十四回しか言ってないわよ。」
フランツ「何回いうつもりなんだよ!!それに、家のことやるなんて、当たり前だろ?
     自分の家のことなんだしさ、もう小さい子じゃないんだ。母さんだって・・あっ」
母親  「・・そうね、お母さんがこんなんじゃあね。」
フランツ「ち、違うよ!!!」
母親  「やるしかなくなっちゃうわよね。」
フランツ「そんなこと言ってないだろ!」
母親  「でも、あなただってまだ他のお友達と遊びたい年頃でしょ?」
フランツ「そんなこと・・・」
母親  「昔は母さんが『夕日が沈む前に帰ってきなさい』って、いくら言っても
     帰ってこない位だったもの。」
フランツ「いいんだよ、僕のことは!!僕は家のことやるの好きなの。
     好きだからやってるの!!」
母親  「・・・・。」
フランツ「だから母さんは関係ないよ。」
母親  「ありがとう。そう言ってくれると嬉しいわ。」
フランツ「余計なこと考えてないで、母さんは病気を治すことだけ考えてればいいんだよ!
     ほら、早く食べないと冷めるよ!」
母親  「はいはい。」

二人『いただきます』と一言。母、シチュー(スープ?)を一口。

母親  「ん、今日もおいしい。」
フランツ「どーも。」

二人は食べ始める。と、ふいに母が口を開く。

母親  「にんじん、食べられなかったら母さんのお皿に入れていいわよ。」
フランツ「いいよ。」
母親  「え、にんじん食べられるようになったの?」
フランツ「うん。もう子供じゃないんだから、食べられるよ。」
母親  「へぇ・・・」
フランツ「なんだよ・・・」
母親  「ううん。なんでもない。」

沈黙があるが、母は何か意を決したように話し始める。

母親  「フランツ、」
フランツ「ん?」
母親  「もうすぐ、戦争が始まるって・・お隣のおじさんが言ってたじゃない?」
フランツ「うん・・・」
母親  「そのことなんだけど、」
フランツ「何?」
母親  「もし・・もしもの時は、お母さんはいいから。」
フランツ「え?」
母親  「だから・・もしもの時はね、フランツ。あなたはお母さんを置いて・・」
フランツ「どうしたんだよ急に。」
母親  「こんなんじゃお母さん、フランツの足手まといになっちゃうから・・・」
フランツ「何言ってんだよ・・・」
母親  「もし、この町まで戦場になるようなことになったら、あなたは
     お母さんのことなんて気にしないで、一人で逃げなさい。」
フランツ「出来るわけ無いだろ!!!そんなこと・・・!!!!
     何弱気になってんだよ・・・。
     母さんが心配しなくても、この国の門はアルマンたちが守ってるんだから
     大丈夫だよ。絶対。
母親  「それでも、もしものことが・・ゴホッゴホッ・・・」

母親は急に咳き込む。

フランツ「母さん!?ちょっと大丈夫!?」
母親  「(咳き込みつつ)ええ、大丈夫よ・・・・」
フランツ「もう、縁起でもないこと言うからだよ・・・」
母親  「そう、ね・・ゴホッ・ゴホッ・・・」
フランツ「やっぱりベッドでたべよう?スープ、そっちに持っていくから・・・」

母は一度頷き、フランツは母を支えてハケる。ゆっくりと照明FO。

暗転

明転
再びフランツの家。同じ部屋。そこでフランツは荷物をまとめている。

フランツ「ランプにチーズ、パン・・・肩掛け。後は・・・・・」

勢いよくドアが開き、傷を負ったアルマンが入ってくる。

アルマン「フランツ・・・」
フランツ「っ!・・・なんだよ、今忙しいんだよ!
     謝りに来たなら、今更謝ったって許さないんだからな!!」
アルマン「忙しい・・?」
フランツ「そうだよ。門番なら知ってるだろ、もうすぐこの国も帝国の戦争に
     巻き込まれるって。」
アルマン「今はそんなことを言っている場合じゃない・・・」
フランツ「ッ!!??どうしたんだよ、その傷!!」
アルマン「気にするな・・・それより、お前の母さんは・・?」
フランツ「母さんなら奥の部屋で寝てるけど・・・」
アルマン「良かった。早く母さんを連れて逃げろ!!」
フランツ「急いで逃げるって、まだ戦争はまだ始まってないだろ?」
アルマン「もう門は壊された。」
フランツ「嘘だろ・・・」
アルマン「嘘じゃない。街はもう火の海だ・・・・」
フランツ「・・・・」
アルマン「街だけじゃない、ここだってもう直・・・」
フランツ「だって!!!だって・・ゴルトさんや、ジェームズだっているじゃないか!!
     それなのに・・なんで・・・・!!!!」」
アルマン「(首を左右に振り)二人は、もう・・・・」
フランツ「そんな・・・・」
アルマン「お前は母さんを連れて早くここから逃げろ!!!
     今来てる奴らは第一陣・・・・
     見張りの奴の話だと、すぐそこまで帝国軍本部が来てるんだ。
     もう直ここも危なくなる。だから、」
フランツ「じゃあアルマンも!!」
アルマン「俺はここに残らなきゃならない。」
フランツ「何で!?」
アルマン「俺は門番として、残って戦う。」
フランツ「残ったりしたらアルマンも死んじゃうじゃないか!!!」
アルマン「それが門番の仕事だ!!!!」
フランツ「なら・・・アルマンが残るだったら、僕もここに残る!!」
アルマン「何言ってんだ!!!お前が残ったら、誰が母さんを守ってやるんだ!!??
     男だろ!!!フランツ、お前なら俺がいなくたって大丈夫だ。」
フランツ「嫌だ!一緒にいこうよ!!」
アルマン「嫌じゃない!!!」
フランツ「嫌だ・・嫌だよ!!!」
アルマン「フランツ!!!!(強く)」
フランツ「(ビクッっとして)」
アルマン「勇気を出せ、フランツ・・・。大丈夫だ。
     俺たち、いや・・リヒトは決して負けはしない。決してだ!!
     それがなぜだかわかるか?」
フランツ「(顔を左右に振る)」
アルマン「俺たちの国、リヒトの意味は“光”。神の御加護の光だ。でも、それだけじゃない。」
フランツ「・・・・」
アルマン「平和を願う、民の祈りと命の光だ。」
フランツ「光・・・」
アルマン「俺は光を守らなければならない。」
フランツ「・・・・」
アルマン「お前もその光を忘れるな。」
フランツ「・・・うん。」
アルマン「よし。じゃあなるべく早くここから逃げるんだ。いいな?」
フランツ「うん。わかっ・・」

突如銃声が鳴り響き、アルマンが撃たれ倒れる。

フランツ「アルマン!!!」
 敵  「おーい!門番が一人残ってやがったぞ!!おーい!!」

最期の力を振り絞り、打ち返すアルマン。

アルマン「伏せろフランツ!!!!!」

倒れ絶命するスパイ。
フランツはアルマンの指示通り一旦伏せるが、アルマンが倒れるのをみて
すぐさま駆け寄り。

アルマン「逃げ・ろ・・!母さ、んを・・守って・やるんだろ・・・?」

照明、このアルマンの台詞に合わせ地明かりを除々にサスに変える。

フランツ「嫌だ・・・嫌だよ!!!」
アルマン「早、く・・・・」

息絶えるアルマン。

フランツ「アルマン!?アルマン!!??」

揺さぶってみるが、彼は目覚めない。

フランツ「起きてよ・・・ねぇ起きてよ・・・!!!
     また・・色んな話、聞かせてよ・・・・ねぇ!!!!」

揺さぶり続け。
 
フランツ「勇気・・出すから・・・・」

次第に揺さぶることを止め。

フランツ「・・・なんで、何でこんなことに・・・・」

するとドアから、小さく風の音。それとともにサスの明かり、強く。
フランツ「え・・・?」

風、大きく。サスから強めの地明かりにFI。

フランツ「何だ・・これ・・・・。風・・?違う!!花びらだ!!!!
     それも、白い・・・」

フランツ、気付く。

フランツ「白い、花・・・?憂いの木・・・・!!!!!
     憂いの木よ、僕の願いを聞いて!!
     こんなことになるなら・・・大切な人を簡単に失ってしまうなら、
     僕は、英雄になんかなれなくて良い!!!
     こんな戦争、なくなっちゃえばいいんだ!!!!!」

風が強くなる。地明かり、一気に強くなりFO。

暗転(風の音を流して下さい)
明るくなる。墓標の前のフランツ。

フランツ「戦争は、あの後突然の吹雪で帝国軍が一時撤退。
     帝国内で広まっていた、僕らの国の反乱の疑惑は、帝国の領地拡大で
     犠牲になった国々の反乱のための作戦だったらしい。
     だけど、帝国は未だにそれを認めようとしない。
     今は冷戦状態だけど戦争自体はまだ終わってなんかいないんだ。
     ねぇ、アルマン・・・
     もしかしたらあの時の風は花びらじゃなく、雪だったのかもしれない。
     でも、僕にはあの時見えた気がするんだ。君が話した、憂いの木が。
     だけど憂いの木は戦争を食い止めてはくれても、終わらせては
     くれなかった。
     あの時は君やジェームズが僕やこの国を守ってくれたけど、
     今はもういない。
     今度は僕らがやらなきゃいけないんだよ。
     今度は僕らが憂いの木になる番なんだ。
     
     君やジェームズが僕の中にいきているように、どこにでもあるんだよ、
     憂いの木は。
     きっと、心の中に・・・・。」

見上げると、はらりと数枚の白い欠片が宙を舞い。(SE 小さく風の音。)

フランツ「誰の、心の中にも・・・・」

母親  「(声のみ)フランツー!!ちょと来てちょうだい!!!」
フランツ「わかったよかあさん、今行くよ!!」

走ってハケるフランツ。
その欠片が雪なのか、花弁なのか。
それはだれもしらない。



――幕――
     
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